オフィスの移転先を決める前にアスベストなど有害物質のチェックを

オフィスの移転先を決めるときは、立地や賃貸料、広さにばかり目が行きがちですが、古いオフィスにはいまだに有害物質であるアスベストのリスクが残っています。そこで今回は、アスベストやシックハウス症候群などについて、オフィスの引越し前にぜひチェックすべきポイントなどをご紹介します。

アスベストってなに?

「アスベスト」とは天然鉱物から採れる繊維です。日本語では「石綿」と呼ばれています。アスベストは不燃性や耐熱性、熱や電気の絶縁性のほか耐久性、耐腐食性にも優れていることで、古くからさまざまな製品に利用されてきました。日本でも1955年頃から主に学校、公民館、体育館やビルなど大きな建物の鉄骨構造の柱や梁でアスベストが使われていました。

アスベストが建築資材として使われなくなった理由

耐火性、耐久性、耐腐食性などさまざまなメリットを持つアスベスト。しかし2017年現在、アスベストが建築資材として利用されることはなくなっています。なぜならアスベストには、そこに住まう人にとって大きなリスクがあるからです。

アスベストの繊維は非常に細かく軽いことから飛散しやすく、知らず知らずのうちに吸引してしまい最悪の場合は肺がんや悪性中皮腫、アスベスト肺といった病気の原因となります。WHO(世界保健機関)の発表によると、空気1リットル当たり5本のアスベストを1年間吸い続けることで10万人に15人がこれらの病気で死ぬ恐れがあるとされています。

規制や法律について

建築資材としての性能は高いものの、リスクはそれ以上に大きいということで、アスベストは世界中で徐々に建築資材としての利用が規制されるようになります。日本でも以下の流れで規制が進んで行きました。

1975年 「特定化学物質等障害予防規則(特化則)」の改正による吹き付けアスベストの禁止
1980年 5%を超えてアスベストを含有する製品が特化則の対象となる
1995年 5%から1%に変更
2004年 含有率1%を超える建材などの製品が製造禁止
2006年 労働安全衛生法施行令改正により代替品のない一部を除き、含有量が重量の0.1%を越えるものの製造、輸入、譲渡、提供、使用が禁止
2012年 アスベストの完全製造禁止

 

アスベスト以外の有害物質

建物にはアスベスト以外にも有害な物質が利用されていることがあります。主なものとして以下のようなものが挙げられます。

1. ホルムアルデヒド

シックハウス症候群の要因とも言われるホルムアルデヒドは、建築材料の合板や、ビニル壁紙、フローリングなど接着剤などに使われています。

2. トルエン、キシレン、トリメチルベンゼンなど

塗料用溶剤、樹脂塗料や油性ニスや接着剤などに使われています。独特のニオイを放ち、はきけやめまいなどの症状を引き起こします。

オフィス移転でチェックすべきポイント

2006年以降に建築された物件に関しては、アスベストの心配はほぼありません。しかしそれ以前に建築された物件は、少なからずアスベストの危険が存在します。オフィス移転を検討している場合、まずはその物件の築年数を確認します。

ただし2006年以前に建築されたものであっても、必ずしもアスベストが使用されているとは限りません。また仮に使用されていたとしても高濃度なものを長期間大量に吸い続けなければ、病気を引き起こす確率はかなり低いため、ことさらに心配する必要はないでしょう。

それでも不安……という場合は、貸主や専門家に依頼し、アスベストやそれ以外の有害物質について確認してもらうことをおすすめします。せっかく移転するなら、スタッフ全員が健康に過ごせる環境を選びたいですよね。東京都内でオフィス移転を検討している方は、ぜひ「三英オフィスサービス」までご相談ください。