バリアフリーでやさしいオフィスづくりを目指す

障害者の雇用の安定と確保を目的とした労働法のひとつ「障害者雇用促進法」。昨今ではだいぶ浸透してきていますが、この中には、「常時100人以上が働く一般事業所では2.0%以上の障害者を雇用しない場合、障害者雇用納付金を納める必要がある」という、条文があります。様々な身体的、精神的困難を抱える方が働く可能性のある事業所では、健常者からだけの視点に立ったオフィスデザインでは問題が生じてくることがあります。

今回は、誰にでも働きやすいオフィス環境、「バリアフリー化」はどのように実現できるか、そのポイントを考えます。

バリアフリーとは?

障害を持つ人や高齢者などの社会的弱者とされる人々が生活あるいは業務にあたる際に「障壁」となりうるものを取り除いた状態のことをバリアフリーといいます。例えば、オフィスで車椅子や松葉杖を使う人、視覚や聴覚に障害がある人でもスムーズに仕事ができる理想的な環境を整えることが目標となります。

なぜオフィスにバリアフリーが必要なのか

2015年の法改正した障害者雇用促進法により、従業員50人以上が働く一般事業所では2.0%以上の障害者を雇用しない場合、雇入れ計画作成命令などの行政指導や企業名の公表といったペナルティを受けることになります。障害を抱える方々が職について自立することで地域の一員として社会で自立するための大切な取り組みです。

障害を抱える方々を社員として迎え入れてスムーズに仕事に取り組んでもらえるオフィスレイアウトをつくることは、現在障害を持っている社員だけでなく、例えば不慮の事故によって一時的に車椅子生活になってしまった社員にとっても、いち早く職場に復帰してもらえる環境となりえる利点があります。

バリアフリーなオフィスとはどういうレイアウト?

車椅子の横幅はだいたい90cmあります。車椅子と健常者がすれ違うことができる140cm程度通路を確保する必要があるでしょう。また、デスクや会議室の机についても車椅子で使える幅の広いものに変更したり、フロアを二重床のフリーアクセス構造にして配線を最小限にしたりすることで、視覚障害者や歩行困難者も過ごしやすい環境になります。

また、書類などを格納するキャビネットなどについても車椅子の人の目線を意識してできる限り低い位置に設置するとよいでしょう。

ちょっとした工夫で働きやすさは大きく変わる

扉を引き戸からスライド式に取り替えたり、階段やトイレに手すりを設置したりするだけでも作業効率は大きく変わり、社員のストレスは大幅に減ります。また、四肢に障害を抱えて受話器を持つのが困難な人には通話用のヘッドセットを、視覚障害の人にはパソコンのディスプレイを白黒反転させる設定にするだけでも文字が見やすくなることがあります。

ハンデを持つ方ご本人だけでなく、一緒に働く人たちのちょっとした気遣いや柔軟な対応によって、オフィスで働く全員が気持ち良く仕事ができる環境に近づきます。

今働いている人の声を大切に

視覚障害、聴覚障害、身体障害、精神障害、知的障害など一口に障害といっても様々ですし、一人一人状態は異なります。

どんな障害を持った人でも働きやすい環境をすぐに整えることは難しいですが、オフィスレイアウトの変更や新しいオフィスに移転するタイミングで、今職場に働いている人たちがどんなことを障壁に感じているか、障害者・健常者を問わずヒアリングしてオフィスのデザインを考えることで、職場にとって最適なバリアフリーを実現しましょう。