みんながハッピー!オフィスの分煙対策

電子たばこの普及、度重なる増税、法律による規制でどんどん減少する喫煙スペース……。喫煙者の肩身は狭くなる一方の今日この頃。最新の統計では男性の喫煙率は30%を割り込んだそうです。とはいえオフィスではたばこを吸う人もそうでない人も出入りします。では、すべての人にとってストレスなく快適に過ごせるオフィス環境はどうすれば整えることができるでしょうか。

健康増進法律によって定められていること

2003年に健康増進法により、オフィスの管理者は受動喫煙による健康被害への対策が義務付けられることとなりました。厚生労働省のガイドラインには、

  • <空間的分煙> たばこの煙が漏れない喫煙室の設置の推奨
  • <屋外排気> 煙が拡散する前に吸引して屋外に排出する設備の設置の推奨
  • <空気の流れ> 喫煙室に流れ込む風を秒速0.2m以上にすること
  • <空気の浄化> 浮遊粉塵の濃度を0.15mg/m3以下、また一酸化炭素の濃度を10ppm以下となるようにすること

以上が定められています。
健康増進法には罰則規定はありませんが、喫煙所を設置する場合はこれらの基準を最低限クリアするよう心がけましょう。

喫煙、副流煙など、たばこのせいで起こりうる悪影響について

たばこによる体への害についてはガンの発症率を高めることを含め、さまざまな議論がなされていますが、喫煙は職場環境にどのような影響を与えるかを考えて見ましょう。

喫煙者の離席による勤務時間の差

1日に1箱(20本)消費する喫煙者は、睡眠時間を除くとおおよそ1時間に1本。勤務時間中に約7回喫煙のために5分間離席すると、年間で8400分(=140時間=約5.8日間)時間的なロスを生みます。作業効率に影響を与えるだけでなく、非喫煙者との不公平感を招き、無用な対立を引き起こすリスクもあります。

健康リスク

喫煙者は非喫煙者と比較して平均寿命が約10歳も短くなるというデータがあります。健康の問題は従業員個人の問題だけでなく、体調を崩して業務が滞った場合、会社全体の不利益となります。また、喫煙対策が十分になされず、副流煙による健康被害についても同じことが言えます。分煙対策がなされていない場合の健康被害については労災認定されたという判例もありますので、企業としては十分な配慮が必要です。

喫煙者の作業効率

喫煙者にたばこを吸わないことを強いることも、ストレスを与えてしまい作業効率の低下につながってしまう、というジレンマもあります。「たばこを吸うことでリフレッシュして気持ちよく仕事ができる」と主張する喫煙者の意見もありますが、逆に考えると、たばこを吸わないとリフレッシュできない体になっているとも言えます。無理強いはできませんが、雇い主の立場としてはできるかぎり禁煙してもらう方針を打ち出したほうがよいでしょう。

たばこのにおい

たばこのにおいに敏感な人は、喫煙時だけでなく、喫煙者の近くに寄っただけでもそのにおいが気になるものです。従業員間の関係性はもちろん、顧客に接する場合にはそういったリスクは当然避けたいものです。喫煙する従業員には消臭についての呼びかけをするのもいいかもしれません。

分煙?それとも全面禁煙?

オフィスの受動喫煙の防止策としては大きく2つの対応が考えられます。ひとつは職場を全面的に禁煙にして、喫煙室を設置しない方針。もうひとつは空間を区切って分煙する方針です。
オフィスを全面禁煙にすれば、当然設備投資は必要なく、オフィスの環境をクリーンにすることができます。しかし、オフィスに来訪した喫煙者である顧客にストレスを与えてしまうほか、喫煙者がオフィスの外までたばこを吸いに行ってしまうと時間的なロスが拡大してしまう、というリスクもあります。
そこで、オフィスレイアウトを工夫した分煙対策をご紹介します。

非喫煙者もリフレッシュできる空間を

喫煙室を充実させるだけでは非喫煙者の不公平感は払拭できません。かといって全面禁煙にしてしまうというのもデメリットがあることをお話ししました。そこで提案したいのが、喫煙者だけではなく、非喫煙者もちょっとした休息を取ることができる「リフレッシュルーム」の設置です。喫煙室と業務スペースの間に空間を作り、新聞や雑誌を置いたり、談笑できるスペースを作ることで、かつて「喫煙所コミュニケーション」と呼ばれていたような部署をまたいだ、業務上でもプライベートでもない情報交換の場が誕生し、業務が円滑に進む、といった事例があります。

とはいえ既存のオフィスに新たなスペースを設置する余裕なんてない、と思う方も多いでしょう。レイアウトの工夫に限界がきたら、書類の管理など他のスペースにも余裕がなくなってくるリスクもあるので、早めにオフィス移転を念頭に入れて検討してみてはいかがでしょうか。

すべての人が快適に過ごせる環境を目指して

喫煙者と非喫煙者、ガマンさせるかさせないか、という対立になってしまいがちな分煙問題ですが、オフィスデザインの変更やリフレッシュルームの設置で対立どころか新たな良好なコミュニケーションを生むことができます。社内の良好な人間関係を形成するために、思いきったオフィス環境の改善策を考えてみてはいかがでしょうか。