ここがポイント!オフィス移転の見積書の読み解き方

第6回と第16回のコラムでそれぞれ「オフィス移転業者の賢い選び方」と「オフィス移転にかかる費用相場」を取り上げましたが、今回は引越しの見積書の正しい読み方をご紹介します。オフィス移転がうまくいくか否かは、引越し業者の良し悪しにかかっていると言われることがあります。費用の安さはもちろん重要な要素ですが、見積書から業者の信頼度を見極めることがもっとも大切です。

必ず複数の業者から相見積もりを取る

まず複数のオフィス移転業者(少なくとも3社)から相見積もりを取りましょう。そうすることで、おおよその相場観が把握できるでしょう。「どうせどの業者も料金は似たりよったりだろう」などと高をくくるのは禁物。実際に引越し費用の見積もりを比べたところ、一番安い業者と一番高い業者とでは倍近く違ったといったケースもあります。

相見積もりを取ることは料金交渉の際にも有効です。例えば一番サービスのよさそうな業者Aに業者Bの見積書(Aよりも安い)を示して、もう一段の値引きを引き出せるかもしれません。料金比較サイトに情報を入力して候補となる業者を絞り、その後で訪問見積もりをしてもらうのが効率的です。

良い見積書には情報がぎっしり書き込まれている

引越し業者の見積書はたいてい複写式で、①「引越し業者控え」、②「作業指示書」、③「お客様控え(見積書)」の3枚が重なっています。コンプライアンスが重視される中、調子の良い言葉ばかりを並べて仕事を取ろうとする営業はまずいないでしょうが、訪問見積もり時に「やります」と言ったことがついうっかり見積書に反映されておらず、イメージした通りの引越し作業が行われなかったり、予想していなかった追加料金を支払わされたりすることがありえます。

良い見積書には業者と合意した内容・条件がぎっしり書き込まれ、備考欄にもたくさんの書き込みがされているはずです。反対に、引越しの規模や商談内容の割に、単価と数量がメインになっているあっさりした見積書を提示された時は要注意です。こちらも予定にはなかった追加料金をあとから請求される場合があるの、注意が必要です。

作業内容と作業員の数には特に注意をしよう

オフィス移転の際の引越しの見積書を比較する時は、作業に含まれる対応の幅の広さまで考慮して比較する必要があります。例えば「パソコン200台を移動する」という依頼だったとして、機器の梱包・設置から梱包材の破棄までが含まれているケースと単に機器の移動のみのケースとでは、料金に差があるのは当然だからです。

もし引越し料金が同程度なら、作業員の数がより多い業者を選ぶとよいでしょう。なぜなら、作業員の数はオフィス移転当日の作業終了時間に影響するからです。

工事項目とその他付帯業務の欄にも目を通そう

引越し業者によっては、電気・照明、ネットワーク(有線、無線)・通信、OA機器の設置・配線、空調、ラック・棚などの設置や地震対策、その他オフィス移転の際の付帯業務をワンストップ(社内一貫作業)で提供してくれる場合があります。重要なのは、何が見積金額に含まれていて何が含まれていないのかを見極めることです。

また資機材費と諸経費は、金額だけが書かれていて内訳が書かれていないケースが多いので、金額の算出根拠を聞いてみてもよいでしょう。

万一のトラブルに備え、補償内容なども確認

見積書の中には保険料(建物、什器など)が記載されていることがよくあります。その場合、保険料の金額だけでなく、補償の上限がいくらなのかも確認しましょう。また、何が保険適用の対象外なのかも必ず確認してください。なぜならパソコンやサーバーに保存されているデータを対象外としている場合があるからです。

引越し業者によっては請負業者賠償責任保険や個人情報取扱事業者賠償責任保険といった各種保険に加入済みであることをアピールし、安心感を訴求しているところもあります。

オフィス移転に際して引越し業者に求めることや予算は依頼主によって異なります。提案された見積書をうのみにせず、細部までしっかりと目を通し、不明点は契約前に必ずつぶしておくことが大切です。