うちはまだ大丈夫?オフィス移転を決心するべきポイントとは?

オフィスを移転したいと考えているという話をよく耳にします。それでいながら「いつ頃?」と具体的に聞くと、「2~3年以内」「時期は未定」といった答えが返ってくることが少なくありません。しかしオフィス移転を決断し、一刻も早く準備に着手しなければならないシチュエーションがあります。今回はそんな決断ポイントをご紹介します。

契約更新期に賃料相場が下がっていたら移転しよう

オフィス移転の理由のうち常に上位にランクインするのが賃料の見直しです。もし現行の賃貸契約の更新時期に周囲の賃料相場がかなり下落していたら(借主に有利な市場になっていたら)、思い切って安いところに移転してみてはいかがでしょう。既存契約の賃料について値下げ交渉をすることもできますが、従来の賃料から大幅に値引きしてもらえる可能性はあまり高いとは言えず、それなら移転した方が簡便で経費削減にもなるからです。また賃料相場が下がっていなくても今後も持続的な上昇が予想されるときは、まだ上昇度が低いうちに移転するのも一策です。

賃料相場については株式市場のように先を読む専門性も必要とされるので、不動産業者などに直接聞いてみるのがベターです。

旧耐震基準のビルに入居していたら移転しよう

日本全国で地震などによる大きな震災が相次ぎ、BCP(事業継続計画)の必要性が問われる現在、社員の安全の確保と事業を継続することは、経営の最重要課題の一つになっています。そこで、1983年6月以前(※)に完成した旧耐震基準のビルに入居している場合には、すぐにオフィス移転を決断することをおすすめします。

旧耐震基準の建物は「中規模地震に耐える建物の設計」を基準としていましたが、新耐震基準では「中規模地震に対して損傷しない+大地震に対して倒壊しない設計」と、より高い安全性が確保されています。

※1: 1981年6月1日の建築基準法改正から2年後以降に完成したものが新耐震基準を満たしていると考えられるため。

執務スペースが6m²未満、天井が2.6m未満なら移転しよう

執務に必要なパーソナルスペースの大小は、業務の生産性に大きく影響します。一般社団法人ニューオフィス推進協議会(NOPA)の「ニューオフィスミニマム」の基準によると、オフィスワーカー一人当たりの執務スペースの最小限度は6m²程度とされています。現在のオフィスがこれよりも狭ければ迷わず広いオフィスへの移転を決断しましょう。

また天井が低い場合にも、閉塞感などにより業務の生産性に悪影響を及ぼしかねません。一般社団法人日本ビルヂング協会連合会が実施した2013年度の調査によると、天井の高さの平均は2.61mでした。現在のオフィスの天井がこれよりも低ければ、やはり移転を検討した方がよいでしょう。

女性社員の離職率が高かったら移転しよう

女性社員は男性社員以上にオフィス環境の快適さに敏感な傾向があります。もし女性社員の定着率が悪かったり、女性社員を雇用するのに苦戦したりしている場合には、それはオフィス環境に深刻な問題があるからかもしれません。例えばトイレや共用部がきれいか否か、休憩スペースの有無、オフィス内外の騒音に対するストレスの有無、立地や周辺環境(ランチのおいしい店が多い、夜遅くまで残業しても最寄駅まで安全に行けるなど)といったことがモチベーションを大きく左右します。

「女性社員に好かれるオフィスは、お客様も含めて万人に愛されるオフィスである」と考え、オフィスを移転して人材の流出を阻止しましょう。

企業・ブランドイメージとかけ離れていたら移転しよう

業界や業種によっては、企業・ブランドイメージが非常に重要視されることがあります。例えばオフィスの立地や外観から内装に至るまで、一貫してクリエイティビティやファッション性をアピールしなければならないような場合です。オフィス移転を機に自社の描く理想のイメージに近づけることができます。またマスコミや業界にインパクトを与えるようなオフィス戦略を打ち出せば、メディアへの露出が増え、投資家の関心を引くこともできるかもしれません。

ぼんやりとオフィスの引越しを考えている経営者のみなさん、いかがでしたか? 一つでも当てはまる場合は、今こそ移転するタイミングです。一人で悩まず、社員の方とも話題にしてみましょう。