ちょっと待って!今のオフィス、本当に移転しなくちゃだめ?

オフィスを移転すべきかせざるべきか、それが問題だ――などというと「ハムレット」みたいで大袈裟ですが、実のところその判断は難しいのです。多くの費用や時間、労力がかかるため、間違いは許されません。オフィス移転とレイアウト変更、改装。あなたのオフィスにはどれが最適でしょうか。まずは、それぞれのメリットとデメリットを知る必要があります。

オフィスを移転することのメリット・デメリット

オフィス移転の主なメリットには、次のようなものがあります。

オフィス移転の主なメリット
  • (1)新しい環境になるため、職場の雰囲気をガラリと変えることができる。そのため従業員の業務の生産性の向上や入社を考えている人へのアピール効果などが期待できる
  • (2)オフィススペースを拡大したり縮小したりすることができる
  • (3)より耐震・免震に優れた物件を借りることができる
  • (4)新しい貸主との交渉次第では、自社のビジネスや財務状況により適した条件で契約できる場合がある
  • (5)オフィスレイアウトをする際の自由度が非常に高い
  • (6)取引などに便利な立地を選ぶことができる

これに対してデメリットには次のようなものがあります。

オフィス移転の主なデメリット
  • (1)引越し費用、レイアウト費用などイニシャルコストがかかる
  • (2)準備に労力を要し、移転の直前直後は通常業務の再開に時間がかかる
  • (3)賃貸契約の内容によっては、違約金や多額の原状回復費用がかかる場合がある
  • (4)通勤や育児(例えば園児の送り迎え)などに関して従業員から不満が出ることがある

改装やレイアウト変更のメリット・デメリット

オフィスを移転せずに改装やレイアウト変更で対応する場合の主なメリットには、次のようなものがあります。

改装やレイアウト変更の主なメリット
  • (1)オフィス移転よりも費用がかからない
  • (2)通常業務にあまり支障が出ない
  • (3)オフィススペースを有効活用できているかを見直す良いきっかけになる
  • (4)従業員の生活、特に通勤や育児などに影響が出ない
  • (5)現在のオフィスの場所が広く認知されている場合、顧客が抱く親近感やブランドイメージを損なわない

これに対してデメリットには次のようなものがあります。

改装やレイアウト変更の主なデメリット
  • (1)オフィススペースを拡大できない(既存スペースを有効活用するしかない)。また将来の従業員増に対応できない。
  • (2)古いビルに入居している場合、耐震性は現状のレベルのまま。
  • (3)職場の雰囲気を大きく変えることが難しい。
  • (4)小売業などのB to Cビジネスで立地条件が悪い場合、悪条件を変えられない。

多くのニーズはレイアウト変更や改装で対応可能

オフィスを移転するか、それともレイアウト変更や改装で対応するかは、上記のメリットとデメリットを総合考慮して決めるとよいでしょう。

もっともスペースの大幅な拡張とビルの耐震性強化、立地条件の改善を除けば、ほとんどのニーズはレイアウトの見直しや改装で対応可能です。「はじめに移転ありき」ではなく、現状のオフィスの状況把握から始めるのがオススメです。

こんなケースは移転よりレイアウト変更がオススメ

最後に、オフィスを移転しない方がよい具体的なケースを見てみましょう。

ケース①:解約違約金がかかる

オフィス移転を検討する場合、まずやるべきことは賃貸契約の確認です。解約する場合、借主は解約希望日のかなり前に貸主にその旨を通知しなければなりません。これを「解約予告」といいます。

解約予告期間(多くは6ヶ月前)がすでに過ぎていれば、違約金が発生しますので、レイアウト変更などで対応し、次の機会(具体的には次の契約年度の解約予告期間前)を待った方がよいでしょう。

ケース②:会社の成長戦略、人員計画に見合わない

オフィスを移転するかしないかの判断に当たっては、成長戦略や人員計画も考慮する必要があります。現時点で手狭だからといって、業績の伸びや人員増が見込めないにもかかわらずより広いオフィスに移転するのは控えるべきです。

ケース③:従業員の声を聞かず、トップダウンで決める

オフィスの移転の成功するためには、従業員の意見を広く集めて十分検討し、移転すると判断した場合にはプロジェクトチームを作ることがよいとされています。経営層の独断で移転を決めるようなことは避けましよう。