空調効率の最適化でできるオフィスの節電対策

クールビズが広く浸透したとはいえ、夏の暑さは増すばかり。また、冬の寒さもエアコンなしではすごせません。しかし節電や省エネの取り組みは、企業の社会的責任(CSR)を果たすためにも不可欠です。また、オフィスの移転や引越しの際も、こういった目標を叶えられるかどうか、従業員のホスピタリティーを満たせるかなどを考慮しなくてはなりません。オフィスの快適性と節電、省エネをどのように両立させればよいのでしょうか。

※画像 オフィスの電力消費の内訳(14時頃)

オフィスにおける電力消費の約5割が空調用

オフィスにおける電力消費で一番大きいのは空調用の電力です。ピーク時(平日14時頃)において実に48%を占めています。照明用の電力が24%、OA機器用の電力が16%ですから、空調用の電力を低減することが、オフィスの節電・省エネのカギになると言えます。(データ出典:資源エネルギー庁推計)

暑ければ作業効率が落ち、寒ければ体調不良に

暑すぎると作業効率は確実に落ちます。早稲田大学の田辺新一教授が行った実験によると、オフィスの室内温度が25℃から1℃上がるごとに生産性が1.9.%ずつ下がるそうです。また、温度が上がると疲労をより感じやすくなることも知られています。

その一方で寒すぎるオフィスでは、従業員が風邪や体調不良を訴えがちです。女性にとっては職場の温度管理、特に寒さは重大事で、転職先を選ぶ際に考慮する大きな要素の一つにもなっているということも。

夏でもサーキュレーターで空調効果は確実に高まる

暖かい空気は部屋の上の方に、また冷たい空気は下の方にたまりがちです。そこでサーキュレーターを使ってオフィスの空気の循環を良くすれば、季節を問わず、空調効果を高めることができます。

「別にサーキュレーターを購入しなくても、扇風機でよいのでは?」と考える人がいるかもしれません。しかし空気を真っすぐに遠くまで運ぶためには、やはり風力の強いサーキュレーターがおすすめです。サイズもコンパクトで安価なものもあるので、比較的導入しやすいアイテムでしょう。また、空調機に直接取り付けるタイプのファンでも、同様の効果が得られます。これらの設置には、レイアウトや動線にも配慮しましょう。

定期的にお手入れすることでも空調効果は高まる

空調機はできるだけこまめにフィルターの掃除をしましょう。フィルターが目詰まりしていると冷暖房の効果が下がり、無駄な電気を消費してしまいます。常にフィルターを清潔にしておくだけで、冷房時で約4%、暖房時で約6%もの消費電力の削減になるとされています。

また室外機の上や周辺に物を置かないことも忘れてはいけません。物が置いてあると空気の流れが遮られ、空調効率が下がってしまうからです。

ローパーティションや欄間がオープンタイプのものを使う

ローパーティションは風通しのよい空間づくりに役立ち、同時にオフィスの開放感も演出できます。また欄間がオープンタイプのパーティションにも同様の効果があります。白やグリーンのパーティション、あるいは木目調のパーティションなどをセレクトすれば、見た目にもさわやかです。

まだ白熱電球や蛍光灯が残っているなら、LEDに交換

LEDの節電効果については、「省エネ&コスト削減!オフィス丸ごとLED計画」のコラムで取り上げましたが、実はLEDには室温が上がりにくくなるという効果もあります。その理由は、LEDの発熱量の少なさです。蛍光灯のおよそ4分の1の発熱量しかないため、オフィスの空調への負荷が抑制されます。

他にもいろいろ。簡単にできるこんな空調・温度管理

この他にも次のような工夫をすることで、オフィスの室温の快適さはグンとアップします。

  • ・エアコンの風を天井や壁に近い方に向けて、従業員を直撃しないようにする。
  • ・窓からの日差しを、夏はカットして冬は有効活用する。
  • ・出入口付近の席は、共有スペースとして長時間利用しない。
  • ・朝夕とそれ以外の時間帯で、空調の設定温度を変える。
  • ・業務終了時間の30~60分前に空調を停止する。
  • ・オフィスの広さに応じた人員配置を行う。