フリーアドレスって本当にいいの?メリットとデメリット

個人に固定の座席を割り当てずに共有の座席を用意し、出社した従業員が空いている席を使って仕事をするオフィス形態を「フリーアドレス制」といい、近年話題になっています。ある調査結果によると、3割近いオフィスで全面的または部分的に採用されているそうです。フリーアドレス制にはどのようなメリットがあるのでしょうか? 注意点とともにお伝えします。

フリーアドレス制のメリット

フリーアドレス制の主なメリットとしては、

  • 1.ファシリティコストを抑えられる
  • 2.デスク回りが整理整頓される
  • 3.コラボレーションが活性化する
  • 4.柔軟なワークスタイルが普及しやすい

といったことが挙げられます。順に見ていきましょう。

 メリット①:ファシリティコストを抑えられる

毎日の業務において、従業員全員が常にオフィスに揃っていることはまずないでしょう。外出や出張、休暇などで空いた席を有効活用できないか、オフィスの面積や席は全従業員の分を確保しなくてもよいのではないか。そうした発想から考案されたのがフリーアドレス制です。ビジネスの業態や規模などによって異なりますが、一般的に全従業員の約7割の席数があれば足りるといわれており、賃料などのファシリティコストを抑えることができるというわけです。

 メリット②:デスク回りが整理整頓される

自分の固定席がない以上、書類や私物を机の上に置いたまま離席することはできません。よって必然的にデスク回りの整理整頓、ペーパーレス化が進むことになります。

 メリット③:コラボレーションが活性化する

席を自由に移動できるため、職位や部署の枠を越えてその日の業務に関係する人だけでデスクを囲むなど、仕事内容に応じたスピーディーなコラボレーションがしやすくなります。また、業務上の接点がない人ともコミュニケーションをとる機会ができるので、ビジネス上の新たな気づきやアイデアが生まれる可能性も期待できます。

 メリット④:柔軟なワークスタイルが普及しやすい

人事部門がフレックスタイム制度や在宅勤務を推奨しても、利用率が高まらないことがあります。しかしフリーアドレス制は全社的な取り組みなので、「個人的な都合では制度を利用しにくい」「他の従業員と横並びにしなければ」といった心理的プレッシャーがなく、柔軟なワークスタイルが普及しやすくなります。

フリーアドレス制のデメリット

フリーアドレス制はどんなオフィスにも万能というわけではありません。主なデメリットとしては、

  • 1.席が「フリー」ではなく「固定」される
  • 2.ストレスが増す(特に中高年層)
  • 3.組織への帰属意識が希薄になる

といったことが挙げられます。

 デメリット①:席が「フリー」ではなく「固定」される

「毎日席が変わるのは困る」などと一部の従業員が主張し、席に書類を置いたままにしたり、同じ部署や仲のよい人同士で集まって座ったりするケースは、意外に多いといいます。こうなってはフリーアドレス制が形骸化してしまい、メリットを享受できません。

 デメリット②:ストレスが増す(特に中高年層)

フリーアドレス制では、たくさんの資料を机の上に広げることが不可能に近く、また、他の従業員と一定の距離をおいて熟考することも難しくなります。オフィスに個人の席があることが当たり前だった中高年層には、環境の変化がストレスになるという調査報告もあります。

 デメリット③:組織への帰属意識が希薄になる

オフィスに個人の席がなくなり、オフィスで作業する時間も減少する結果、コミュニケーションロスが発生したり組織への帰属意識が希薄化したりするリスクがあるようです。帰属意識の希薄化は離職率の上昇にもつながりかねないので、注意が必要です。

明確なオフィス戦略、ワークスタイル方針が成功のカギ

フリーアドレス制に向いているのは、一般的に、IT関連業務の受託やコンサルティングなど社員の在席率が低い会社といわれています。しかしそれ以上に、フリーアドレス制が定着している会社には共通の傾向が見られます。それは、「なぜフリーアドレス制を導入するのか」という理由を十分に説明し、かつ、「ワークスタイルをどう変革するのか」という明確なビジョンを持っているということです。つまり、見極めとともに会社のバックアップこそが成功のカギといえるのです。