知っておきたいオフィスレイアウトにまつわる法律

あなたのオフィス、法令違反していませんか?

オフィスレイアウトが法律と密接に関係していることをご存じですか? もしかすると今のオフィスの状態は、建築基準法や消防法などに違反しているかもしれません。「つい、うっかり……」「知りませんでした」ではすまされないオフィスレイアウトに関する法令、ルールをご紹介します。

建築基準法、消防法だけでなく、他の法律や条令にも注意

オフィスレイアウトをする際、コンプライアンス(法令遵守)は忘れてはいけない要素です。多くの人は、建築基準法と消防法という2つの法律がすぐに頭に浮かぶでしょう。前者は条文に書かれた条件を満たせばそれで足りますが、後者はそれだけでは足りず、消防署に確認したり、場合によっては指導を受けたりすることもあります。

このほかにも、政府の各種ガイドラン、各自治体の条例などにも留意しなければなりません。一担当者がインターネットで調べればすべて把握できるといった簡単なものではないので、不安がある場合には、専門家に相談しましょう。

天井まで間仕切り工事をする場合、適用法令が増える

オフィスのパーティションは、欄間が開いているもの(欄間ありのタイプ)と開いてないもの(欄間なしのタイプ)の2種類に大別されます。遮音性などを考えれば、オフィスレイアウトの際に欄間なしのタイプを選びたくなるところかもしれません。しかし欄間が開いていないとそのスペースは個室とみなされるため、建築基準法や消防法などでの適用範囲が広がり、留意すべき事項が増えてしまうのです。

例えば、欄間なしのタイプでは、オフィスの既存設備やパーティションの位置によっては、消火活動に必要なスプリンクラーや火災感知器などの消防設備を増設しなくてはならない場合があります。また、火災発生時の排煙のために、排煙設備の設置を見直さなくてはなりません。さらに欄間なしのタイプのパーティションを設置したときは、消防署の届け出(消防用設備等設置届出書)も必要になります。

動線計画の際には、廊下(通路)の幅を一定以上に

動線を計画する際にも、建築基準法や建築基準法施行令といった法令・法規も考慮する必要があります。例えば、オフィスの廊下の幅については、建築基準法施行令が、片側居室の廊下で1.2メートル以上、両側居室の廊下では1.6メートル以上を確保する必要があると規定しています。上記の基準に満たない幅の廊下は法律違反になってしまいます。

1人当たりの就業スペースにも基準がある

事務所衛生基準規則は労働者1人当たりの適切な空間の大きさである「気積」について定めています。それによると、労働者を従事就業させる部屋の気積は、設備が占める容積と床面から4メートルを超える高さにある空間を除いて1人当たり10立方メートル以上と定められています。したがって、オフィスレイアウトの際には、設備や従業員を詰め込みすぎにならないようにしなければなりません。

地震への備えもぬかりなく行いましょう

東日本大震災後、各自治体が相次いで震災対策条例を作りました。そうした条例の中ではオフィス家具の転倒防止や避難場所、避難用の通路の確保などが定められています。そこでオフィスレイアウトの際には、避難経路を確保した家具の配置を行うとともに、家具を間仕切り壁代わりに使わないことや高さのある家具類を固定することなどにも留意しましょう。

分煙を認める場合には、受動喫煙の対策を

健康増進法はタバコを吸わない人が他人のタバコの煙を吸わされる「受動喫煙」について、「多数の者が利用する施設を管理する者は、これらを利用する者について、受動喫煙を防止するために必要な措置を講ずるように努めなければならない」と定めています。そして、その後の厚生労働省健康局長通知で「多数の者が利用する公共的な空間は、原則として全面禁煙であるべき」とされました。

もちろん、現在でも非喫煙場所にタバコの煙が漏れない喫煙室の設置することは可能ですが、排気装置の設置など複数の条件を満たすことが必須になります。