失敗しない動線計画

動線計画は、オフィスレイアウトの最重要ステップの一つです。なぜなら動線は、業務効率や働きやすさ、人や物が動く際のストレスの少なさ、円滑なコラボレーション、そして、オフィスの安全性にまで密接に関わってくるからです。そして、動線計画はできるだけシンプルなものが良いとされています。

そもそも「動線」とは何か

オフィスレイアウトにおける「動線」とは、多くの人や物が行き来する主要なルートのことです。人間で言えば、大動脈や大静脈に当たり、動線の流れが悪いと様々な障害が生じかねません。そこで、業務効率をはじめとするあらゆる要素を勘案してオフィス内の人や物の流れを決める「動線計画」が非常に重要になります。

動線はできるだけシンプルに

動線はできるだけシンプルになるように計画しましょう。シンプルで直線的であるほど、使い勝手が向上し、業務の効率化やストレスの軽減につながります。動線を計画する場合、エントランス部分から考えるのは当然ですが、その際、軸となるメインの動線を設定すれば、将来のレイアウト変更時にもサブの動線を変更するだけで済み、効率的です。また、メインの動線とサブの動線を明確化することも大切です。

メインの動線は1.2メートル以上の幅を確保

メインの動線は少なくとも1.2メートル以上の幅を確保しましょう。日本人の標準的な肩幅は、男性が46センチ前後、女性が41センチ前後ですから、すれ違う際の余裕を考えると、少なくとも1.2メートルは必要になります。なお、業務上、大きな物(例えば、大型の段ボール)の搬出・搬入が頻繁に発生する、あるいは、後述する建築基準法施行令の「両側居室」の基準が適用される場合には、1.6メートル以上の幅が必要です。

こんな動線計画は失敗する

動線計画の失敗例の多くは、「机上の空論」が原因になっています。例えば、動線の横に前開きのドアがあり、ドアが開くたびにそれを避けなければならないとか、メインの動線なのに実は小さな段差があってつまずきやすいといったケースです。また、頻繁に使う複合機や収納棚を奥まったところに配置したため、使い勝手が悪くなっているケースも少なくありません。このほか、AさんがBさんの席に行こうとして、「どのルートで行けば、人や椅子にぶつからないか?」などといちいち考えなければならないような複雑な動線も論外です。

動線を計画する際のチェックポイント

動線計画を成功させるための主なチェックポイントは、次の通りです。

  • 最も多くの人・物が通るメインの動線を設定する
  • メインとサブの動線の明確化
  • 渋滞が起きず、椅子を引く必要もない
  • 回遊性(循環性)を保つ
  • 不要な動線/重複する動線を作らない
  • 災害時の避難動線も確保する

建築基準法などの法令にも留意

動線を計画する際には、建築基準法や建築基準法施行令といった法令・法規も考慮しなければなりません。例えば、オフィスの廊下(通路)の幅については、建築基準法施行令第119条が、片側居室の廊下で1.2メートル以上、両側居室の廊下では1.6メートル以上を確保する必要があると規定しています。上記の基準に満たない幅の廊下は法律違反になってしまいますので、十分に注意する必要があります。