オフィスをユニバーサルデザインする

老若男女、国籍の違い、障がいの有無などに関わらず、誰にとっても快適で使いやすいものを作るという考え方であるユニバーサルデザイン。製品に留まらず、現在では、オフィスにおいてもこのユニバーサルデザインが取り入れられています。

ユニバーサルデザインの設計思想

ユニバーサルデザインは、性別や年齢、国籍の違いなど、一部の人だけに配慮したデザインではありません。すべての人にとって快適で使いやすいものを、という思想で設計されたデザインです。

誰にとっても快適で使いやすいということで、バリアフリーと混同されるかもしれません。しかし、そもそもユニバーサルデザインは障がいをもっていたロナルド・メイス氏が、バリアフリーにおける障がい者だけの特別扱いを嫌ったことから生み出されたものです。

オフィスという空間もさまざまな人が集う場所です。ある人たちだけに配慮したデザインは一見、快適なように思えますが、実は全体として効率が悪かったり、それ以外の人にとって使い辛かったりする場合があります。そのような意味では、以前に比べより多様な人材を雇う企業が増えた昨今、オフィスのユニバーサルデザイン化が進んでいくことは自然な流れであるともいえるのではないでしょうか。

業務の効率化とコストダウンに貢献するユニバーサルデザイン

オフィスで働くすべての人が、快適で使いやすいデザインであるユニバーサルデザイン。しかしオフィスをユニバーサルデザイン化することのメリットはそれだけではありません。

第一にコストの削減と業務の効率化を生み出します。従来のオフィスデザインは部や課ごとにレイアウトが異なっていました。これにより人員の増減や組織の変更があればその都度、デスクを並び替える必要が生じます。また、それに伴い電話やパソコン、OA機器の配線をやり直さなくてはいけません。

しかし、ユニバーサルデザインは基本的にどの部も課も区別なく同じデザイン、同じレイアウトになります。そのため人員の増減や組織変更があってもレイアウト変更や配線組み直しのコストがほとんどかかりません。またデスクや椅子はもちろん、書類棚などのオフィス家具すべてを統一することにより管理がしやすくなるうえ、調達コストの削減にも貢献するのです。

社員の意識も変えるユニバーサルデザイン

バリアフリーは、年齢などによりそこに集まる人を二分します。それがいい悪いということではなく、バリアフリーとはそういう思想の元に設計されたデザインです。これに対しユニバーサルデザインは、そこに集う、どんな立場の人であっても分け隔てなく、快適で使いやすい空間を作るという思想の元に設計されたもの。

モノを動かすのではなく、人がフレキシブルに動くことによってこそ、その場は活性化します。ユニバーサルデザインは単にコストを削減するだけでなく、そのオフィスで働く私たちの意識をも変える力も持っているといえるのです。